「この原料は食品に使えますか」というご質問には、名簿のどこに載っているかをお示しして回答しています。法的な地位は解釈ではなく、公的な名簿との照合で決まります。
1. 名簿との照合
弊社では公的名簿を取り込み、取り扱い品目名と機械的に突き合わせています。
| 名簿 | 収載数 | 意味 |
|---|---|---|
| 指定添加物 | 476品目 | 食品衛生法に基づき使用が認められた添加物 |
| 既存添加物 | 327品目 | 既に使用され流通していたものとして認められた添加物 |
| 飼料添加物 | FAMIC公表 | 飼料安全法に基づく。人用とは別の制度 |
2. 照合でつまずく三つの型
① 表記のゆれで名簿が分かれる
同じ物質が、表記の違いによって別の名簿に載っていることがあります。β-カロチンは飼料添加物の名簿に、β-カロテンは指定添加物の名簿にあります。片方の表記だけで検索すると「名簿にない」という誤った結論になります。
② 塩の形で地位が変わる
L-システインは指定添加物・既存添加物のいずれにも収載がありませんが、L-システイン塩酸塩は指定添加物です。遊離体と塩で法的な扱いが分かれます。調達時に形態を変える場合は、法的地位も併せて確認が必要です。
③ 人用と動物用の二重該当
タウリンは既存添加物であり、同時に飼料添加物でもあります。L-カルニチンやL-グルタミン酸ナトリウムも飼料添加物の名簿(アミノ酸等)に収載されています。最終製品が人向けか動物向けかで適用される法律と必要書類が変わるため、用途を明示してご相談いただくと、最初から正しい規格書をご用意できます。
3. 機能性表示食品の届出を視野に入れる場合
届出を考える場合、最初の分岐点はその原料が機能性関与成分として特定できるかです。品名が一般名のままでは設計できません。
- 菌株の特定 ― 乳酸菌は菌株名まで必要です。有胞子性乳酸菌の届出208件は例外なく菌株名が入っており、菌株名なしは0件です(SANK70258が194件、lilac-01が10件)
- 学名の版に注意 ― 同じ菌の属名が変わることがあります。Bacillus → Weizmannia → Heyndrickxia の三表記が届出データの中で期間を重ねて併存しています。属名で検索すると取りこぼします(Bacillus のみでは89件、実際は208件)
- 由来の特定 ― グルコシルセラミドはパイナップル由来・米由来・こんにゃく由来で別々に届出されています
- 含量の基準 ― ルテインの遊離型/エステル型、ビルベリーのアントシアニン/アントシアニジンのように、基準が決まらないと配合量が決まりません
弊社は消費者庁の届出データベースを取り込んでいます。検討中の素材について類似の届出が実際にどう組まれているかを、件数・配合量・表示文言のレベルでお示しできます。累計件数ではなく撤回を除いた有効件数で見るところまで含めてご説明します。
4. アレルゲン表示
2026年4月1日の改正で、カシューナッツが特定原材料(表示義務)に追加され9品目、ピスタチオが特定原材料に準ずるもの(表示推奨)に追加され20品目となりました。原料調達側の作業は、規格書のアレルゲン欄の更新と製造ラインの混入確認です。
由来によってアレルゲン表示が変わる原料もあります。グルコサミンは甲殻類由来か発酵由来かで、ゼラチンは豚皮か牛骨か魚由来かで扱いが分かれます。同じ品名でも由来で表示が変わる点にご注意ください。
5. 輸入原料の確認
厚生労働省が公表する輸入時違反事例(累計1,682件)を取り込み、取り扱い品目に関係する違反の型を把握しています。違反の多くは原料そのものではなく管理の問題です。原料の選び方で防げる型かどうかを含めてご相談に応じます。
ご提供できる資料
- 法規制の確認結果 ― 名簿上の地位と、確認に用いた出典
- 届出データの集計 ― 類似届出の件数・配合量・表示文言(有効件数ベース)
- アレルゲン情報 ― 由来に基づく表示区分
- 規格書・COA
※ 最終的な表示の可否と届出の責任は届出者に帰属します。弊社は原料側の情報提供と確認の支援を行います。
