目・視覚の原料マップ|届出640件が示す「機能で素材が分かれる」構造

目・視覚領域の原料比較イメージ|色の異なる粉末を並べた時計皿
結論「目に良い素材」という括りでは設計できません。消費者庁の届出640件を数えると、主張する機能によって素材がはっきり分かれます。黄斑色素とブルーライトはルテイン・ゼアキサンチン、ピント調節とVDT作業はビルベリー、夕方・暗所はカシス。そして同じ棚に並ぶアイブライト・メグスリノキ・ブルーベリーは届出0件です。先に決めるのは素材ではなくどの機能を言うかです。

届出640件はどう組まれているか

機能性関与成分名に目の素材が入っている届出を重複なく数えると640件です。組み合わせの内訳がそのまま設計の実態を示します。

  • ゼアキサンチン+ルテイン … 338件(全体の53%)
  • ルテイン単独 … 141件
  • ビルベリー単独 … 98件
  • ビルベリー+ルテイン … 29件
  • ゼアキサンチン+ビルベリー+ルテイン … 20件
  • ゼアキサンチン単独 … 12件 / カシス … 2件

読み取れることが二つあります。ひとつはルテインとゼアキサンチンが事実上ひとつの単位だということ(338+20=358件で併用)。もうひとつはビルベリーが別系統として独立していることです。ビルベリーは単独98件が最多で、ルテイン系と混ぜる設計(29+20=49件)はむしろ少数派です。

機能で素材が分かれる

届出文言に出てくる機能を数え、それぞれどの組み合わせが使われているかを突き合わせました。

  • 光刺激・ブルーライト … 396件 → ルテイン+ゼアキサンチン303件が中心
  • 黄斑色素 … 286件 → 同203件。ルテイン系に固有の訴求
  • 目の疲労感 … 244件 → ルテイン系108件・ビルベリー81件。ここだけ両系統が重なる
  • ピント調節 … 173件 → ビルベリー81件が最多、ルテイン系42件
  • 目の潤い … 67件 → ビルベリー29件が最多
  • VDT・近見作業 … 57件 → ビルベリー31件が最多
  • 夕方・暗所 … 4件 → カシスを含む設計がここに現れる

構造がはっきりしています。目の「構造を守る」話はルテイン・ゼアキサンチン、「調節して働かせる」話はビルベリーです。黄斑色素はルテイン系にしか出てこず、VDT作業と潤いはビルベリーに寄ります。疲労感だけが両方の重なる場所で、だからこそ訴求が被りやすく、差別化しにくい領域でもあります。

つまり「目に良い原料を探している」という依頼のままでは選べません。黄斑色素を言いたいのか、ピント調節を言いたいのかで、買う原料が変わります。

届出0件の素材をどう扱うか

弊社が扱う目の領域の原料は7品目ですが、届出実績は4品目に集中し、3品目は0件です。

0件は「使えない」ではありません。機能性表示の関与成分にはできないという意味です。一般食品として、あるいは配合の一部として使うことは当然できます。研究の蓄積も皆無ではなく、J-STAGEでメグスリノキは91本(2020年以降8本)です。ただしアイブライトは1本で、これは実質的に文献の土台がない状態です。

「ブルーベリー=目」という連想と届出実績がずれている点は、設計で特に注意が必要です。一般の認知度はブルーベリーが高いのに、機能性関与成分名としての届出はビルベリーに147件、ブルーベリーには0件。種が違い、アントシアニン含量も規格も別物です。訴求の言葉と関与成分がねじれないようにしてください。

撤回率を併せて見る

届出件数は累計で、撤回済みを含みます。現に有効な数で見直すと景色が変わります。

  • ルテイン 529件 → 有効344件(撤回185件・35%)
  • ゼアキサンチン 371件 → 有効244件(撤回127件・34%)
  • ビルベリー 147件 → 有効74件(撤回73件・50%)

ビルベリーは半分が撤回されています。類似届出を参考にして設計を組むときは、撤回済みを除いて数え直すのが安全です。生きている届出だけを見れば、ルテイン系とビルベリーの差は累計で見るより大きくなります。

研究の蓄積量も別の指標として押さえておきます。J-STAGEの論文数はルテイン1,499本(2020年以降141本)、ゼアキサンチン363本(67本)、ビルベリー86本(12本)です。届出件数と研究蓄積は比例しません ― ビルベリーは届出147件に対し文献86本、ゼアキサンチンは届出371件に対し363本という具合です。

調達の順番

  • ① 言いたい機能を決める ― 黄斑色素/ブルーライト/ピント調節/VDT/潤い/暗所。ここで素材がほぼ決まる
  • ② 成分量の目標を置く ― ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mgか、ビルベリー由来アントシアニン43.2mgか
  • ③ 含量の基準を固める ― ルテインは遊離型/エステル型、ビルベリーはアントシアニン36%/アントシアニジン25%。ここを曖昧にすると発注量がずれる
  • ④ 剤形を決める ― ルテインは油溶性、ビルベリーは粉末。打錠・粉末充填・ソフトカプセルで適する形態が違う
  • ⑤ 撤回済みを除いた類似届出を見る ― 累計件数ではなく有効件数で

詳しくは個別の記事にまとめています ― ルテイン・ゼアキサンチン原料ガイド、ビルベリー原料ガイド。

ご相談

規格書・サンプル・お見積りはお問い合わせフォームから、言いたい機能の方向と剤形を添えてご連絡ください。素材が未定の段階でもご相談いただけます ― 機能の方向が決まっていれば候補を絞れます。

関連:目・視覚の原料 / 機能性素材

よくある質問

「目に良い原料」を探しています。何から決めればよいですか。

言いたい機能から決めてください。届出640件を数えると、黄斑色素とブルーライトはルテイン・ゼアキサンチン、ピント調節とVDT作業はビルベリー、夕方・暗所はカシスにはっきり分かれます。機能が決まれば素材はほぼ決まります。

ルテインとビルベリーを両方入れるべきですか。

実態としては少数派です。届出640件のうちルテイン系とビルベリーを混ぜた設計は49件で、ルテイン+ゼアキサンチン338件、ビルベリー単独98件が主流です。両方の訴求を同時に言いたい場合に限って検討するのが自然です。

目の疲労感を言いたい場合はどちらですか。

ここは両系統が重なる唯一の領域です。疲労感に触れる届出244件のうち、ルテイン系108件・ビルベリー81件で、どちらでも設計されています。そのため訴求が被りやすく差別化しにくい点は意識しておいてください。

アイブライトやメグスリノキは使えないのですか。

使えます。ただし機能性表示食品の関与成分にはできません(届出0件)。一般食品や配合の一部としては使用できます。文献量はメグスリノキ91本、アイブライト1本で、後者は実質的に土台がない状態です。

ブルーベリーではだめですか。

機能性関与成分としての届出は0件です。一般の認知度は高いのですが、届出実績はビルベリー(147件)に集まっています。種が違い、アントシアニン含量も規格も別物として扱います。

届出件数が多い素材を選べば通りやすいですか。

そうとは言えません。撤回率がルテイン35%、ゼアキサンチン34%、ビルベリー50%です。累計件数ではなく有効件数で見て、撤回済みを除いた類似届出を参考にしてください。

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