ひざ・関節の原料マップ|配合量3.2mg〜3,000mgと「名前の指定」

結論ひざ・関節の原料は、配合量が3.2mgから3,000mgまで約1,000倍の幅があります。素材が違えば必要量も剤形も変わるので、「関節向け」という括りで比較すると設計が進みません。さらに届出データを見ると、同じ素材でも名前の書き方が決まっています ― プロテオグリカンは「サケ鼻軟骨由来」まで書いた届出が195件あるのに対し、「プロテオグリカン」だけの届出は1件しかありません。グルコサミンも塩酸塩(直近12か月2件)からN-アセチル体(16件)へ流れが移っています。

以下の数字は、消費者庁「機能性表示食品の届出情報」2026年10月5日取得分を、機能性関与成分名を区切り文字で分割した成分名の一致で集計したものです。「直近12か月」は届出日が2025年10月1日以降のものを指します。

1. 配合量が1,000倍違う ― 同じ「関節向け」で比較できない

ひざ・関節の訴求で使われる成分を、届出件数と最頻の配合量で並べます。

機能性関与成分名累計有効直近12か月最頻の配合量
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン1951453410mg(84件)/16mg(48件)
N-アセチルグルコサミン1348716500mg(51件)/300mg(32件)
グルコサミン塩酸塩974521,500mg(51件)/2,000mg(14件)
カツオ由来エラスチンペプチド8458875mg(74件)
コラーゲンペプチド685173,000mg(17件)/2,000mg(15件)
非変性Ⅱ型コラーゲン5416210mg(26件)/3.2mg(7件)
サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲン1716716mg(14件)
非変性Ⅱ型コラーゲン(3重らせんとして)8883.2mg(5件)/2.4mg(3件)
コンドロイチン硫酸87160mg(5件)

最小の3.2mgと最大の3,000mgでは約1,000倍です。これは「効き目の差」ではなく素材としての性質の差で、3,000mgを打錠に入れるのと3.2mgを入れるのとでは、剤形も賦形剤の設計もまったく別の話になります。企画の初期に「関節向けの原料を探している」とだけ決めると、ここで必ず戻ることになります。先に剤形と1日量の上限を決めてから素材を選ぶほうが早く着地します。

2. 届出では「名前の書き方」が決まっている

この領域でいちばん見落とされるのが、関与成分名の書き方です。

書き方届出件数
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン195件
プロテオグリカン(由来の記載なし)1件

ほぼすべてが由来を名前に含めて届出されています。したがって「プロテオグリカン含有」としか書かれていない規格書では、そのまま届出の関与成分として使えません。調達の最初の質問は「規格書に、届出名と同じ表記で含量が書けますか」です。

同じことが非変性Ⅱ型コラーゲンでも起きています。旧来の「非変性Ⅱ型コラーゲン」は累計54件で有効は16件、直近12か月は2件。一方、「非変性Ⅱ型コラーゲン(3重らせんとして)」は累計8件すべてが直近12か月です。括弧の中身は何を測った何mgかの宣言で、新しい届出はこちらの表記に移っています。既存の規格書が旧表記のままなら、供給元に新しい基準での含量表示を求め直すことになります。

3. グルコサミンは「塩酸塩からN-アセチル体へ」動いている

グルコサミンは名前が三通りあり、届出の流れがはっきり分かれています。

成分名累計有効直近12か月最頻の配合量
N-アセチルグルコサミン1348716500mg
グルコサミン塩酸塩974521,500mg
グルコサミン(塩の記載なし)12101,500mg

調達上の意味は二つです。第一に、必要量が3倍違います(1,500mg対500mg)。第二に、塩酸塩で新規に届出を組もうとすると、参照できる類似届出が薄くなります。直近12か月の2件に対し、N-アセチル体は16件です。

由来も忘れてはいけません。グルコサミンはエビ・カニの殻から作られる品が多く、えび・かには特定原材料(表示義務)です。発酵法由来であればその制約は外れます。グルコサミン原料ガイドで由来と形態の整理をしています。

4. 「関節向け」と思っていた素材が、届出では肌だった

届出の「表示しようとする機能性」に出てくる語を数えると、素材ごとに訴求の重心が違います。

成分頻出する語(件数)
サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン軟骨195・関節165・階段143・歩く130
サケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲンひざ17・歩く17・軟骨17・関節16
N-アセチルグルコサミン関節121・ひざ118・階段114/肌32・乾燥31
グルコサミン塩酸塩関節83・曲げ41・違和感30
コラーゲンペプチド肌37・違和感31・関節24
カツオ由来エラスチンペプチド関節28・違和感27・肌25・乾燥25・うるおい24

コラーゲンペプチドは肌が最頻で、関節は三番手です。エラスチンは関節と肌がほぼ並びます。「関節素材」として社内に共有すると、根拠として参照できる届出が想定と違う領域に集まっていた、ということが起きます。逆にプロテオグリカンとサケ鼻軟骨由来Ⅱ型コラーゲンは、軟骨・階段・歩くという動作の言葉に集中しています。美容系原料マップでも同じ構造を扱っています。

5. 弊社の取り扱いと、扱いのない素材

正直にお伝えすると、届出件数でこの領域の最多であるサケ鼻軟骨由来プロテオグリカンは、現在カタログに収載していません。ご要望をいただければ調達可否からお調べします。カタログにあるのは次のとおりです。

6. 調達時に確定させる四項目

  1. 剤形と1日量の上限を先に決める ― 3,000mg級と10mg級では設計が別物です
  2. 届出名と同じ表記で規格書が書けるか ― 「サケ鼻軟骨由来」「(3重らせんとして)」まで含めて
  3. 含量の分母 ― 原料1gあたりか、一日摂取目安量あたりか
  4. 由来とアレルゲン表示 ― えび・かに(義務)、さけ・さば・ゼラチン・豚肉(推奨)。発酵由来なら外れるものもあります

FONTIAでは、検討中の成分について類似届出の件数・配合量の分布・表示文言を集計してお出ししています。カタログにない素材の調達可否も含めてご相談ください。

よくある質問

関節向けの原料を探しています。どれから見ればよいですか。

素材より先に剤形と1日量を決めてください。配合量が3.2mgから3,000mgまで約1,000倍の幅があり、剤形が決まっていないと比較ができません。

プロテオグリカンを「プロテオグリカン」として届出できますか。

実際の届出195件はほぼすべて「サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン」と由来を含めて書かれています。由来の記載がないものは1件です。規格書も同じ表記で書ける必要があります。

グルコサミンは塩酸塩とN-アセチル体のどちらがよいですか。

用途次第ですが、届出を前提にするなら直近12か月の件数が参考になります。塩酸塩2件に対しN-アセチル体16件です。必要量も1,500mgと500mgで3倍違います。

「(3重らせんとして)」とは何ですか。

何を測って何mgと言っているかの宣言です。新規の届出はこの表記に移っており、累計8件すべてが直近12か月です。規格書の含量表示も同じ基準に揃える必要があります。

コンドロイチン硫酸の20%と70%は何が違いますか。

含量規格です。同じ配合量でもコンドロイチン硫酸としての量が3.5倍違います。届出や設計では「コンドロイチン硫酸として何mg」で考え、そこから発注量を逆算してください。

アレルゲン表示はどこまで必要ですか。

えび・かには表示義務、さけ・さば・ゼラチン・豚肉は推奨表示です。グルコサミンは甲殻類由来が多い一方、発酵由来なら対象外になります。魚種・部位まで規格書で確定させてください。

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