茶抽出物・EGCG原料ガイド|「カテキン」は三つの別の数字 ― 540mg・150mg・30mg

茶抽出物(EGCG)原料ガイド|カテキン含量と規格の見方|FONTIAコラムのイメージ画像
結論「カテキン」は届出の世界では三つの別々の成分名で、配合量も別です ― 茶カテキン540mg、ガレート型カテキン150mg、エピガロカテキンガレート30mg。18倍の開きがありますが、これは効き目の差ではなく何を数えた量かの差です。そして原料側の規格も「総ポリフェノール」「総カテキン」「EGCg」の三層になっています。届出名と規格書の層が噛み合っているかを最初に確認してください。弊社の3等級はCAS番号がすべて同じなので、CASでは等級を区別できません。

届出件数は消費者庁「機能性表示食品の届出情報」2026年10月5日取得分を、機能性関与成分名を区切り文字で分割した成分名の一致で集計したものです。「直近12か月」は届出日が2025年10月1日以降を指します。

1. 届出では「カテキン」が三つに分かれている

機能性関与成分名累計有効直近12か月最頻の配合量主な訴求
茶カテキン71487540mg(44件)体脂肪17・注意9
ガレート型カテキン64456150mg(31件)/340mg(17件)体脂肪34・血糖9
エピガロカテキンガレート85130mg(2件)血糖4・中性脂肪2
メチル化カテキン18―――(別成分。べにふうき由来)

540mgと30mgでは18倍です。誤記ではありません。数えている対象が違います。

  • 茶カテキン … カテキン類の合計(EC・EGC・ECg・EGCg など)
  • ガレート型カテキン … そのうちガレート基を持つもの(ECg・EGCg など)の合計
  • エピガロカテキンガレート … EGCg 単体

包含関係にあるので、同じ原料・同じ配合量でもどの名前で届出するかで数字が変わります。逆に言えば、規格書にその層の定量値がなければ、その名前では届出できません。なお「メチル化カテキン」はべにふうき等に含まれる別の化合物で、通常の緑茶抽出物では規格されません。

2. 原料の規格も三層 ― 弊社3等級で見る

原料側の規格書も同じ三層で書かれます。弊社で扱う3等級を並べます。

品目総ポリフェノール総カテキンEGCg
茶抽出物98%以上(UV)80.0%以上(HPLC)50.0%以上(HPLC)
茶抽出物(EGCG70%)98.0%以上(UV)90.0%以上(HPLC)70.0%以上(HPLC)
茶抽出物(EGCG98%)――98.0%以上(HPLC)

総ポリフェノールはUV(吸光度)、総カテキンとEGCgはHPLCで測ります。測定法が違うので数字を足したり引いたりできません。「総ポリフェノール98%なのに総カテキン80%」は矛盾ではなく、別の物差しの値です。

ここから必要量を逆算します。届出で茶カテキン540mgを満たす場合:

  • 総カテキン80%の等級なら … 540 ÷ 0.80 = 原料675mg
  • 総カテキン90%の等級なら … 540 ÷ 0.90 = 原料600mg
  • EGCG98%品は総カテキンを規格していないため、この名前では設計できません

逆にEGCg 30mgなら、98%品で約31mg、50%品で60mgです。同じ「カテキンの原料」でも、届出名を決めないと必要量が20倍変わります。ビルベリーやセラミドで書いた「届出は成分量、発注はエキス量」と同じ構造です。

3. CAS番号では等級を区別できない

上の3等級は、CAS番号がすべて 84650-60-2 で同じです。EGCg 50%品も98%品も、CASの上では同じ「チャ抽出物」です。

CAS番号は物質の番号であって商品の番号ではありません。抽出物では「基原(学名・部位)+抽出方法+指標成分の規格」が揃ってはじめて原料が特定されます。発注書にCASだけ書いて等級を書かないと、届出に使えない等級が届きます。CAS番号とはもあわせてご覧ください。

4. カフェインは必ず規格項目に入れる

緑茶抽出物で見落とされやすいのがカフェインです。精製度によって0.1%以下から数%まで幅があり、規格に入っていない原料もあります。

  • 高純度のEGCg品ではカフェイン0.1%以下(HPLC)と規格化された例があります
  • 一方、脱カフェイン処理をしていない一般品は数%含むことがあります
  • 1日量が大きい設計(茶カテキン540mg級=原料600〜675mg)では、カフェイン1%でも6〜7mgが乗ります

カフェインに配慮する製品(就寝前・妊産婦向け・こども向け)では、カフェイン含量を規格項目として明記させ、ロットの試験成績書で確認してください。公定の上限があるわけではないので、取り決めがなければ管理されません。カテキン類とカフェインは同じHPLC条件で同時定量できるため、依頼すれば出せるメーカーが多い項目です。

5. 保存中に減る ― 「賞味期限末での保証値」を取る

EGCgは酸化・光・熱・アルカリ性pHに弱い成分です。濃縮品では酸化よりもエピマー化(EGCg→GCg などの異性化)が起きやすいことが知られています。エピマー化するとHPLCのピークが別の位置に移るため、EGCgとしての定量値は下がります。

市販の茶抽出物30製品を調べた研究では、表示値と実測値が大きく異なる製品があったと報告されています。実務上の対応は三つです。

  1. 保証値がどの時点のものかを確認する ― 製造時か、賞味期限末か。届出の表示値は後者で設計するのが安全です
  2. 受入検査を自社でも行うかを決める ― CoAだけに頼らない
  3. 保管条件(遮光・低温・乾燥)と、製造工程の熱履歴を先に共有する ― 打錠・造粒・殺菌で温度が上がる工程があるなら、その後の残存率を確認しておく

6. 法令上の位置づけと、海外展開の注意

チャ抽出物は既存添加物名簿の第184号「チャ抽出物(チャの葉から得られた、カテキン類を主成分とするものをいう。)」に収載されています。名簿の表記が「茶」ではなく「チャ」である点に注意してください ― 規格書や表示で名簿の品目名に合わせる場面があります。なお「カテキン」も第56号として別に収載されています。

輸出や海外向けOEMを視野に入れる場合、EUでは緑茶カテキン(EGCgとして)に1日800mgの上限が設けられています。国内向けに高用量で設計した処方は、そのままでは出せないことがあります。向け先が決まっているなら、処方を固める前に上限を確認してください。

7. 発注前に決める五項目

  1. どの届出名で組むか ― 茶カテキン/ガレート型カテキン/EGCg。必要量が20倍変わります
  2. その層の定量値が規格書にあるか ― 総カテキンを規格していない等級では「茶カテキン」で届出できません
  3. カフェイン含量 ― 規格項目に入れ、ロットごとに確認する
  4. 保証値の時点 ― 製造時か賞味期限末か
  5. 等級の指定 ― CASは3等級とも同じ。発注書には等級と指標成分の規格値を明記する

FONTIAでは茶抽出物・EGCG70%・EGCG98%の3等級を扱っています。検討中の届出名をお知らせいただければ、その名前で組める等級はどれかからご相談に乗ります。

よくある質問

「茶カテキン540mg」と「EGCg 30mg」はどちらが強いのですか。

強さの比較ではありません。数えている対象が違います。茶カテキンはカテキン類の合計、EGCgはその中の一成分です。届出名を決めてから配合量を見てください。

EGCG98%の原料で「茶カテキン」の届出はできますか。

その等級は総カテキンを規格していないため、規格書に定量値がありません。総カテキンを規格した等級を選ぶか、メーカーに総カテキンの定量を追加してもらう必要があります。

総ポリフェノール98%と総カテキン80%は矛盾しませんか。

矛盾しません。総ポリフェノールはUV(吸光度)、総カテキンはHPLCで測った別の物差しの値です。足し引きはできません。

3等級はCASが同じですが、発注書にはどう書けばよいですか。

CASだけでは等級が特定できません。品目名に加えて、EGCg・総カテキン・総ポリフェノールの規格値と試験法を明記してください。

カフェインはどのくらい入っていますか。

精製度によります。高純度EGCg品で0.1%以下と規格した例がある一方、脱カフェインしていない品は数%含むことがあります。公定の上限はないので、規格項目として取り決めない限り管理されません。

保存中にEGCgが減ると聞きました。

酸化・光・熱・アルカリに弱く、濃縮品ではエピマー化が起きます。賞味期限末での保証値があるかを確認し、遮光・低温で保管してください。製造工程の熱履歴も先に共有してください。

海外向けにも同じ処方で出せますか。

EUではEGCgとして1日800mgの上限があります。向け先が決まっているなら処方を固める前に確認してください。

茶抽出物のお見積り・サンプルをご検討ですか?

この原料の規格書・最小ロット(MOQ)・納期をご案内します。

この原料のページへ お問い合わせフォーム

メールでも承ります: